4つ目はシクロクロスバイクにつけたレバーです。
完成車仕様のままSRAMのFORCEで組まれたものに乗っていましたが、
・電動化したい
・GRXを使ってみたい
・ワイヤリングを直さないといけない
と理由を付けて、次のレース(宇都宮シクロクロス:12/14)に間に合わせるべく交換しました。
合わせて交換しないといけないリアディレーラーは手持ちの旧アルテグラ、キャリパーはフレームがポストマウント規格のためGRXが使えずにBR-RS785にしました。
そのため、GRXコンポのインプレというより、レバーのみが対象となります。
GRXデビュー時は”グラベル用”のメリットが分からずあまり関心がありませんでした。
それでもお客さんに組み付けた実物を見るにつけ、使ってみると面白そうだという思いに変わっていき交換に至りました。
メリットは想像以上に多くありました。
それは、ほぼ『新設計のブラケット/レバー形状』がもたらす恩恵によるものと言って良いでしょう。
・レバーを(強く)握る必要が無い
これだけ書くと何のことか分かりにくいですが、メーカーの資料を引用すると
こんな感じで、上部の突起部が他のレバーと異なり、ブラケット平面部に対し垂直か、握った感覚だと『返し』があるくらいのストッパーになっています。
親指と人差し指の又をレバーに押し付ける感じで、手がどの方向にも外れにくい安心感があります。
今まで使っていたレバーでは手が外れないようにブラケットを力を入れて握っていたのが、レバーに手をはめる、もしくは引っかけるくらいの感じで十分で、力を全然入れずに済むようになりました。
力が手に入らなくなると、自然と腕や肩が強張らなくなり、上半身がリラックスできるのでコーナリングの感覚が全く変わってしまいました。
無理やりこじるようにハンドルを切っていたのが、腕を押すか引くかで自然に曲がっていけます。
ブラケットゴムのパターンも高さがあり、また外側には縦にパターンを入れるなど、滑りにくさにかなり寄与しているようです。
またブラケットの握り部も小さめで、今まで使っていたレバーのように大きいものを掴みながら握る必要が無いのも助かります。
レバーのリターンスプリングが強く、レバーを引いても硬めです。
しかし従来モデルよりもピボット部が上になったため、気になるほどでは無く慣れの範囲です。
また、その分戻りが速いです。
微妙なブレーキの強弱の調整をするときは、レバーをわずかに引いたり戻したりしますが、この強いリターンスプリングのお陰でやりやすいです。
他のレバーだと戻りが遅い(弱い)ので、ブレーキを緩める時の感覚が分かりにくいですが、力の加減が分かりやすくなりました。
・リモートスイッチが押しやすい
Di2レバーのてっぺんにあるリモートスイッチ、これがレバー内側の上部に移動しました。
今までは押しにくく頻繁に使うのは現実的ではありませんでしたが、この位置なら親指を少し動かすだけで苦にならず押せます。
自分は変速ボタンに割り当て、レバー部と反対の役割にしています。
リア変速だけなので、右の2つのレバーはどちらもシフトアップで、リモートスイッチはシフトダウン。左はその反対です。
eTap方式がボタンの押し間違いが無く、一番使いやすいです。
そしてリモートスイッチを反対の役割にすれば、片手の時でもアップ/ダウンどちらの変速も可能で、万が一どちらかのレバーが変速しなくなっても対応できます。
グラベル用との位置づけですが、重量もアルテグラのレバーとほとんど変わらず、ロード用に使っても良さそうです。
これだけ握りやすいと次に自分のロードバイクを油圧+Di2で組むことがあれば、このレバーにすると思います。
そんなわけで今週末のレースに早速実戦投入してきます。