先日のAURUM(アウルム)試乗会には沢山のご参加を頂きありがとうございました!
何とか終了まで天候も持ち、試乗した感想をその場で色々とお聞きしましたが好印象を持っていただいたようで安心しました。
私も空いた時間で「MAGMA」と「Essentia」の2車種に試乗させて頂きました。
短時間の試乗ではありますが、私なりの感想を書いておこうと思います。
・MAGMA
ブランドスタート時の初代モデルMAGMAを更に進化させたトップモデルです。細かいスペック等は本国サイトの紹介ページに任せるとして、
・乗った第一印象としては全体の一体感がすごい=バランス抜群
最近のバイクはパイプ形状に意図的に変化を付けて、この部分は硬く、この部分はしなやかに、という剛性コントロールをしていることが多いのですが、よほど上手くやらないと逆にバランスが崩れてしまい、シッティングの時はいいんだけど、ダンシングの印象が今一とか、登りの踏み出しは軽いんだけど平坦でダッシュしたときに安定性が今一とか、特定のシチュエーションで良くなったり悪くなったりしがちです。
MAGMAはそういった感触が全くなく全体の挙動がとても分かりやすいので、一定ペース・ダッシュ・コーナリングどのシチュエーションでも非常に扱いやすい乗り味です。
アルベルト・コンタドール&イヴァン・バッソ両グランツールレーサーが、どんな局面でも乗りやすいバイクを目指したブランドコンセプトにしっかり合致していると感じました。
・剛性は基本的に高い
BB周りの剛性感は非常に高く感じました。そして前述のように全体バランスも良いので、ヘッド&フォーク・前三角・後三角どこもドシッとしていてどこかだけが極端にたわんだりよれたりする感じが一切なく、ぐいぐい進みます。
・不思議と振動減衰感は高い
カーボンの積層に工夫を凝らしているフレームやホイールによくある感覚で、剛性が非常に高いのに、抽象的な表現ですが「カチッ」とした感覚というよりは「ドシッ」とした感覚で、細かな振動が一枚布を隔てた向こう側にある感じというか・・・かなり軽量フレームなんですが、とても肉厚かのようにパイプ内部でしっかり振動が減衰されて体に届きます。
・タイヤ幅が30mmぐらいが最適そう
試乗車に付いていたタイヤは28mmで路面をスイーっと滑るように走っていく感覚が楽しめたのですが、私のような貧脚レーサーだともう少しだけハンドリングの安定感があっても良いかなと思いました。
実際メーカーサイトのジオメトリーを見ると、試乗した51サイズだとヘッドアングル72度・フォークオフセット50mm・トレイル60mmという表記なので、ジオメトリー上の想定タイヤサイズとしては30mm幅のようです。取り付けできる最大タイヤ幅は35mmです。
完全に個人の好みなんですが、こういう剛性上の一体感が有って振動減衰性の高いバイクって大好きなんですよね・・・非常に高価なだけに店として充分に推せるバイクで安心しました!
あとお客様の感想で非常に面白かったのが、この部分に関する感想 ↓
シートステーの接合部がシートチューブの下がった位置ではなく、トラディショナルなトップチューブ&シートチューブの交点に付いているタイプだということに、ほとんどのかたが好印象を持っていたこと!
最近のバイクはエアロ特性を突き詰め、後ろ三角の剛性を高め、軽量化を図るという名目でシートステーをかなり下げた位置に接合していることが多く、性能として悪くはないと思うんですがどのメーカーも同じような形状になってしまうのと、うまく考えてやらないと前三角と後三角の剛性バランスが崩れたりします。
MAGMAのはこのシートステーの接合位置が見た目だけでなく走りのバランスの良さに一役買っているような気がします。
・Essentia
初代MAGMAの形状をそのままに、カーボンの積層を見直してコストダウンを実現したセカンドモデル。
MAGMAを試乗した後に乗ってみましたが、
・乗った第一印象
全体バランスと、高い振動減衰感はかなりうまくトップモデルMAGMAの良さを受け継ぎつつ、BB周りの剛性感はやや優しい感じ。
正直、全く自転車に乗れていない今の自分の実力からすると、BB周りの硬さはこちらのほうが踏みやすかったです。かと言ってふにゃふにゃというわけではもちろん無く、絶妙なウィップとともに進んでいく感覚がとても気持ち良いバイクでした。
・タイヤ幅が25-28mmぐらいが最適そう
試乗車に付いていたタイヤの幅はMAGMAと同じく28mmで、悪くはなかったのですがレースに出るならもう少しきびきびとした感じでもよいかな~と思ってメーカーサイトのジオメトリーを見ると、試乗した51サイズだとヘッドアングル71.6度・フォークオフセット50mm・トレイル60mmという表記なので、ジオメトリー上の想定タイヤサイズとしては25mm幅のようです。
ロングライドメインなら28mmでいいけど、良好路面のレースなら25mmまで狭めても良さそう。取り付けできる最大タイヤ幅は30mmです。
どちらのバイクもまあ完全に私好みの乗り味で、どんなシチュエーションでもそつなくこなし、足に優しめなのに不思議と良く進みます!
まだメーカー自体がスタートしてそれほど時間が経ってはいませんがバイクの完成度としてはかなりのもので、他のライダーと被らないけど良く走るマニアックなバイクをお探しのお客様や、コンタドール&バッソの大ファンだったというお客様!ご注文お待ちしております。