似て非なるもの


今日の目標は表彰台です、と出走前の選手から聞くことがありますが、それに対し非常に違和感を覚えます。
そもそも表彰台を狙えるくらいの実力なら、優勝を目指すべきです。

優勝は狙ってもなかなか果たせないものです。単純に考えて、100人出走したらわずか1%。それが6位までとなると、一気に6%まではね上がります。

さらに多くの選手は優勝を強く望みせめぎあうので、数字よりもはるかに難しいと言えるでしょう。
例えばレース終盤に先頭集団が10人まで減ったとします。
自分以外の選手は優勝を目指していると仮定すると、アタックが掛かっても追走は他人任せ、また自分からアタックする必要もなく付いていくだけで良いのです。
自分は脚を貯めつつ、とりあえず4人抜くのみでOK、という1人だけ全く違うレースを走ることににります。

これが趣味で走っている人ならそれでも良いかもしれませんが、若者が競技として取り組んでいるのなら話は別です。
入賞は目指すものではなく、優勝が果たせず結果的に取れたというような副賞みたいなものです
優勝と入賞は似て非なるもので、中身、そこに至るアプローチ、評価も全く異なります。
入賞を目指して走っている限り、伸び代があるとはとても思えません。

もちろん成長過程においてレベルが高いレースでは入賞や完走で喜んで良い局面もあると思います。
しかし少なくとも、第一集団でゴールできる位の実力があれば、入賞なんて生ぬるいことは言わず貪欲に優勝を狙って欲しいものです。

ちなみに自分の場合、実業団レースでは2~6位にそれこそ数え切れないくらい入賞しましたが、優勝したことは一度もなくその難しさは身に染みて理解しています。


その点、石川という難コースのE1で優勝した店長は、本物と言えるでしょう。
本人は謙遜しますが、世の中のバイクショップのスタッフで実業団レース、それも公道開催レースでの優勝経験者はほんの僅かです。
やっぱ店長はスゴイですね。

※ボーナスの査定時期が近いことと本文(特に最後)は関連ありません

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