好きなことしてますか


先日、お客さんとの会話の中で「好きなことを仕事にできるって良いですよね」と言われ、最近意識することが少なくなったその有り難みをふと思い出しました。
もちろんお客さんあっての商売ですし、遊びの延長でお金を頂けるわけではありません。学生や働いて間もない若者から無邪気にその言葉を口にされるとイラッとしたりもします。
自分は自転車に乗る時間がたくさんありそう、という安直な理由で新卒の時に公務員を目指しました。しかも就職浪人をしてまで。
2年目の受験で無事公務員になったのは良いですが、勤務先は霞ヶ関にあるナントカ省でした。もちろん難しくない方の試験の体力枠での採用です。兄が働いていたので分かってはいたつもりですが、筆舌に尽くしがたい仕事でした。
その時の話はまた機会があれば書きたいと思いますが、今回は公務員を辞める原体験になった図をご紹介したいと思います。
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とある研修のひとコマで冒頭に講師の方が書いたものです。なのでこの図は研修と全く関係なく、その内容はとっくに抜け落ちています。
しかし、この図と説明についてだけ鮮明に覚えています。
「世の中の働いている人はこの図の4つのいずれかのポジションに分類されます。皆さんはどこですか?自分は左上です。どこが良いかはその人の価値観次第です。自分はサラリーマン時代は右下でしたが脱サラして左上になりました。この話をすると人事の部署の人に嫌がられますが、決して皆さんに独立しろと言っているわけではないですよ。」
入省して2年目くらいの研修でした。傍から見ると何の変哲も無い図ですが、これがその後の自分に大きな影響を与えました。
その当時は仕事に面白さを見い出せず、いつ辞めようかとばかり考えていました。
「今は右下だけど、右上になるよう努力をしてダメなら仕事を辞めよう。」と決め、同時に「好きなことって何だろう」とひたすら考えました。やはりどう考えても自転車なんですよね。折しも自転車がブームになりかかっていた頃で、自転車の楽しさをもっと広めたい、知ってほしい、それを仕事にしたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。途中で上司や先輩に恵まれ仕事が面白くなりましたが、大きな組織の宿命の異動によりその良い時は永く続かず、結局4年間働いて辞めました。
辞めてからあと半年で丸10年です。自転車が商売の道具と化し、好きでも楽しみさえも感じられなくなったら潔くこの仕事も辞めないといけませんね。次はネコカフェかな…

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