店長日記

The manager of CYCLECUBE

日記

チューブレスの可能性を探る旅

ここ数ヶ月、通勤・走行会などでは主にチューブレスタイヤを使うようになりました。
MAVICを扱うようになって、USTチューブレスタイヤに興味を持つお客様がとても多いので改めて勉強しなくてはと思ったのと、新発売と同時に使い始めたCONTINENTALグランプリ5000チューブレスがものすごく良かったことも理由ですね。

エアシール層を持つタイヤのビードがリムにロックされチューブ無しで使用できることで、内部抵抗が減ることによる転がり抵抗の低減、低圧で運用できることによる振動吸収性アップ、リム打ちパンクのリスク低減などメリットが色々あります。

グランプリ5000(25mm幅)は、クリンチャーの場合だと体重68㎏の私で通常7Bar程度の空気圧でちょうどバランスがよく感じますが、チューブレスだと色々試して5Bar程度が最もバランス良く感じました。
クリンチャーで5Barだと、さすがにリム打ちが怖いのと走りが明らかに重くなりちょっと厳しいのですが、チューブレスだと走りの重さはほとんど感じず(むしろクリンチャーの7Barより軽く感じるぐらい)、グリップ感は明らかに良くなり、乗り心地の良さは抜群!でした。明らかに疲労の仕方が異なるレベルで、以下に書くデメリット部分をなんとか払拭して使い続けたい!と思わせる走行性能の高さです。

ただし販売する時には口を酸っぱくして話していますが、チューブレスタイヤには当然デメリットもあります。

まず苦労するのがタイヤの脱着ですね。
グランプリ5000チューブレスもホイールとの組み合わせによってはかなりの固さです。ビードがやや厚めなのとタイヤ裏側が薄いワックスのようなもので滑りやすくなっているのも原因かもしれません。ただし一回嵌めて空気圧を上げれば、全体的に伸びてだいぶ脱着がしやすくなるので、最初の取付だけは店にお任せいただくのがよいのかなと思います。(腕がパンパンになってその日はもうタイヤの脱着をしたくなくなりますが・・)
また、脱着の作業自体もクリンチャーとは少し異なるテクニックが必要になります。(左右ビードをリム中央の溝に丁寧に寄せて落としてビード内径を小さくしないと強烈にきついです)

MAVICのYKSION PRO USTなどチューブレス「レディ」タイヤであれば、シール層やビードをやや薄く作ることができるのでしなやかで嵌めやすくなるのですが、今度は簡易的なエアシール層を補うためにシーラントを必ず使わなければならず、シーラントを巡るデメリットが出てきます。

針金程度の細いものが刺さった穴はシーラントが塞いでくれるメリットもあるのですが、大きく穴が開いたり裂けてしまうと塞ぎきれないため、バルブを外してチューブを入れて、クリンチャー状態にして修理する必要があります。この時にタイヤ内部は当然シーラントでベトベトのため、作業時に手やリムサイドやローターなどがシーラントまみれにならないよう、何かで拭い取る、水で流すなどの処置が必要になります。(メーカーに確認したところ完全に取りきらなくてもチューブを入れるのに問題はないそうです)
最近になってようやく、STAN’S NO TUBESの「DART TOOL」EFFETTO MARIPOSAのTAPPABUCOなど、ロードやグラベル用チューブレスレディタイヤの修理キットで面白そうなものが出てきたので、シーラント清掃の仕方で何かうまい方法を考えるのと合わせて、是非試してみたいですね。

その辺りがもう少しクリアにできれば、チューブレス「レディ」タイヤは薄手な分よりしなやかで乗り心地も良い傾向があるので、嵌めやすさも併せて皆さんにおススメできるものが増やせるなと思っています。

またエアシール層を圧着している構造からくるものなのか、チューブレス系のタイヤ全般に言えますがタイヤサイドなどのひび割れがクリンチャーに比べて速い気もします。
これが少しでも軽減できないかどうか、クレストヨンドさんが発売している「ブラックシールド」というタイヤコート剤も自分のタイヤでちょっと試してみようと思います。


グランプリ5000チューブレスはどうやらタイヤの外側にエアシール層があるアウターライナータイプで、IRCのチューブレスタイヤなどタイヤの内側にエアシール層があるインナーライナータイプよりは劣化の影響を受けやすそうなので、ブラックシールドによって一定の効果があればタイヤ取り付けの際の付加サービスとして導入してみようかなと思っています。

ホイール側は、長くチューブレス対応ホイールを「2-WAY」シリーズとしてラインナップしているCAMPAGNOLOやFULCRUM、USTチューブレスシリーズをメインに展開しているMAVICなどが問題無くおススメできるものですが、しつこくおススメしているONYX RACINGのハブなどでチューブレス対応の手組ホイールを組んでみるというのも面白い選択肢だと思います。

私が今使っているホイールも手組で、

決戦用として気に入って使っているROLFPRIMAホイールに使われてるリムを単体で販売する「ASTRAL」というブランドのリムです。
カーボン・アルミ両方に色々なラインナップがあって、どれもチューブレス対応になっています。
ROLFPRIMAと同じようにステッカーのカラーオーダーができ、穴数バリエーションも豊富で高いスポークテンションにもしっかり耐え、ちょっとお高めですがおススメです。

その他DT SWISSMAVICTNIなどからも手組用のチューブレスリムが発売されていて価格や好みによって色々とご提案できますので是非ご相談下さい。

導入にあたって一番の高い壁であるタイヤの脱着は、ホイール&タイヤをご購入頂いた時にはご希望であれば実際に目の前で装着作業をさせて頂き、時には一緒に作業して覚えてもらっていますし、ご購入いただいてからしばらく経って忘れた!なんてかたのためにも講習会も開ければよいかなー?と思っています。

グラベルやシクロクロスにはもう必須になりつつあるので、さらに研究を重ねてよりよい形で使い方をご提案できるように頑張ります!!

チューブレスの可能性を探る旅」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です